スピーカーのコーン紙張り替え
                       18 Nov. 2003



 学生時代より愛用していた、DIATONEのスピーカーのエッジが破れてしまいました。 高級品ではありませんが、先輩から譲ってもらった物でもあり捨てるのが惜しく、自力で修理 してみました。私が試しにやってみた話であって、同様に試されても結果の保証はできません。 こういうことはすべて、at own risk、つまり「自己責任」であります。


 検索エンジンで「スピーカー」「エッジ」「修理」などをキーワードを入れれば詳細に解説 したページが多数あると思います。(そちらを見た方がいいかも?)破れたエッジをきれいに 外して、代わりにセーム皮をエッジとして張ることで、破れたエッジが再生できます。(ただ し音色が変わるリスクは否定できません。)


 まず、材料と工具類を用意します。

  ・セーム皮(自動車用品店に行けばあります。人工でなくて天然のがbetter?)
  ・ゴム系の接着剤。
  ・型紙用のボール紙。
  ・ドライバー、はさみ、コンパスなど道具類。


 では、順番に。

1.古いエッジの除去

  

 ウーハーのエッジがぼろぼろです。特にウレタンを使用したエッジの場合経年変化で 必ずと言っていいほど破れます。
 ぼろぼろになってエッジをきれいに取り外します。と言っても接着剤などで固まってい るでしょうから、うまくはがすのは案外難しい。こびりついたところは、マイナスドライ バーで削るなどするしかないかもしれません。丁寧に作業しないとコーン紙を痛める元に なりますので細心の注意が必要です。

 エッジの掃除中。

  

 写真で取り付けたままの状態ですが、きれいにするには本体から外さないと出来ないで しょう。(この後取り外しましたが)くだならいことですが、外すときに線を切ったりし ないよう注意が必要。


2.エッジの作成

 続いて、新しいエッジを作るために型紙を起こします。外周は、エッジの糊代を含めた 大きさに、内周はコーン紙に張り付ける分を見込んだサイズにします。ただ、皮は延びま すから、余裕をあまり見なくてもいいように思います。また1周分の型紙はいりません。 円周を4分割します。(ということで1/4に重ねしろを少々)

 実際にボール紙に書いたところ。

  


 型紙をきれいにくりぬき、今度は本物を作ります。このときに作った型紙をスピーカー の上に乗せて、サイズの確認をしておけば失敗する確率は下がるでしょう。

 購入したセーム皮はこれです。

  


 これを延ばして、型を取ります。皮をしっかり延ばして、しわが寄らないように。

  


 無事に4枚そろったら、接着剤でつなぎます。

  


 ちょっとしわが寄ってしまいました。重なり代が少し大きいかもしれません。 接着剤が乾くまで次の行程には進めませんので、ちょっと休憩。


3.エッジの張り付け

 しっかりとボンドが乾いたら、エッジの取り付けに進みます。 まず、外周(フレーム側)をボンドで固定します。しわが寄らないように。

  


 外周を止める接着剤がある程度固まったところで、次のステップ。 コーン紙側の固定です。まず皮がコーン紙に乗った状態ですから、ゆっくりと中へ 入れます。その後、皮とコーン紙の間に接着剤を流して固めます。しわが寄らない ように。またコーン紙の位置が上下左右に偏らないよう注意。

 表から見たらこんな感じです。

  

 裏面から見ると。

  


 これで接着剤が乾けば作業完了。元に戻します。

  


 念のため完全に乾くまで、音は鳴らさない方が無難でしょう。
乾いたら、いろいろ音を鳴らして楽しみましょう。エッジがこなれるまで、音色は ドンドン変わると思われます。(メーカーの純正作業をしても同じです)しばらく したら、音は落ち着くと思われます。張り替えてからしばらくのエッジが馴染む までは、無理に大きな音を鳴らさないことも大切かと思います。


4.追加事項

 型紙とコーン紙の大きさの関係がわかりにくいと思います。私が作った物の比較 写真を載せておきます。参考までに。

  

 しわが寄らないように張り付けるのが最大のポイントです。皮は大きく切ると 余ってしまう、延ばしすぎてもしわが寄る元になる。大きさの読みと張り付ける ときの力加減、この2つがポイントでしょう。
 高価な物や大きな物を張り替えるのなら、一度小さい物で練習して勘をつかん だ方が無難かと思われます。


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