それは一瞬の出来事
この際なので、忘れないためにも昨日の1本目の顛末を書き留めておきます。同じ目に二度と会いたくないし、しないと思いますが、これを見た方、同じ事をしないでください。
潜水地点、ミサチ。(田辺でも最大-40mの深場で有名ですね。)
水面はベタ凪ではないが、かなり穏やか。ただし、透明度は3m強の濁りありで最悪の状態。(水中で一定水深まで降りると強い流れあり。これが出来事のポイント)
いつも通りアンカー集合で、アンカー伝いに潜降なんですが、アンカーロープ沿いにフリー潜降したため、-10mぐらいのところで流れにのまれてしまいました。のまれた瞬間は今でも良く思い出せず、あっと気がついたときには、時すでに遅し。上下左右、前後、方向感覚が完全に分からなくなってしまいました。自分の吐く泡を見てやっと上下の感覚が戻りました。そして、ダイコンを見て今の水深が分かりました。
さて、流されたと気がついてから、周囲を見回しました。でも、言うまでもなく透明度3mでは、何も見えませんから捜索の余地はありません。さらに、流れは下向きでもありました。流されながら深みへ落ちていたのです。幸い、落ちた地点がミサチの根の天だったため、-18mで止まりました。
下向きの流れの時は、少々の泳力ではどうにもなりません。フィンキックだけでは浮かないので、BCへ多めに給気して何とか浮上開始しました。が、-6mぐらいまで戻ったところでまた流れて落下。今度はなんとか-13mぐらいで踏みとどまりましたが、下は何もない感じなので、落ちれば-40mだったかもしれません。このあとやっと浮上することが出来ました。(なぜか-5mで軽く安全停止をしていたり。)
浮上して初めて、ボートから南へ50m強、流されていたことに気がつきました。ここからボートへ戻るのも一苦労でした。波が低いとはいえ、いざやってみるとまっすぐに泳ぐのは至難の業です。少し泳いで危ないと思ったので、コンパスを使って戻りました。これが、講習以外の場で初めてコンパスを使った事態であります。この出来事、全部で12~3分ほどでしょうか。(潜水時間は8分)
ボートに戻ったところで、ガイドさんと合流でき、事なきを得ました。さすがにこの場で再度潜降する気にはならなかったので、一旦港へ引き上げで終了。
さて、この出来事すべての元凶は、ロープ横とはいえフリー潜降にあります。視界不良時は、何があってもロープにつかまっておくべきなのです。この日、水面は穏やかでしたが、水中は驚くほど流れていました。これだけは水面からでは予測が難しいでしょう。最悪の事態に備えてつかまっておくべし、ということです。
幸い、パニック状態に陥らなかったため、水面まで帰れました。ただ、もう少しでもトラブルが重なっていればどうなっていたのやら。あのときにBCへの給気で浮上、という判断がなければ沈んだままだったでしょうし。あと、直線ナビゲーションも最低限使えなければならないと感じた場面でもあります。ガイド付きのファンダイブだと、コンパスはお飾りになってしまいがちですが、いざというときのために、ベセルが動くようメンテナンスしておかないと行けません。
参考までに、エアーの消費量も書いておきます。驚く事なかれ、すごく減りました。スタートは200bar、ボートに戻ってきたら130barでした。ダイコンのログから推定すると、通常の3倍に近い速度でエアーを消費したようです。
初心忘れるべからず、慣れた頃が危ない、身をもって分かりました。怪我無く戻ってこれたから、良い教訓となりましたが、一歩間違えればどうなっていたことやら。
潜水地点、ミサチ。(田辺でも最大-40mの深場で有名ですね。)
水面はベタ凪ではないが、かなり穏やか。ただし、透明度は3m強の濁りありで最悪の状態。(水中で一定水深まで降りると強い流れあり。これが出来事のポイント)
いつも通りアンカー集合で、アンカー伝いに潜降なんですが、アンカーロープ沿いにフリー潜降したため、-10mぐらいのところで流れにのまれてしまいました。のまれた瞬間は今でも良く思い出せず、あっと気がついたときには、時すでに遅し。上下左右、前後、方向感覚が完全に分からなくなってしまいました。自分の吐く泡を見てやっと上下の感覚が戻りました。そして、ダイコンを見て今の水深が分かりました。
さて、流されたと気がついてから、周囲を見回しました。でも、言うまでもなく透明度3mでは、何も見えませんから捜索の余地はありません。さらに、流れは下向きでもありました。流されながら深みへ落ちていたのです。幸い、落ちた地点がミサチの根の天だったため、-18mで止まりました。
下向きの流れの時は、少々の泳力ではどうにもなりません。フィンキックだけでは浮かないので、BCへ多めに給気して何とか浮上開始しました。が、-6mぐらいまで戻ったところでまた流れて落下。今度はなんとか-13mぐらいで踏みとどまりましたが、下は何もない感じなので、落ちれば-40mだったかもしれません。このあとやっと浮上することが出来ました。(なぜか-5mで軽く安全停止をしていたり。)
浮上して初めて、ボートから南へ50m強、流されていたことに気がつきました。ここからボートへ戻るのも一苦労でした。波が低いとはいえ、いざやってみるとまっすぐに泳ぐのは至難の業です。少し泳いで危ないと思ったので、コンパスを使って戻りました。これが、講習以外の場で初めてコンパスを使った事態であります。この出来事、全部で12~3分ほどでしょうか。(潜水時間は8分)
ボートに戻ったところで、ガイドさんと合流でき、事なきを得ました。さすがにこの場で再度潜降する気にはならなかったので、一旦港へ引き上げで終了。
さて、この出来事すべての元凶は、ロープ横とはいえフリー潜降にあります。視界不良時は、何があってもロープにつかまっておくべきなのです。この日、水面は穏やかでしたが、水中は驚くほど流れていました。これだけは水面からでは予測が難しいでしょう。最悪の事態に備えてつかまっておくべし、ということです。
幸い、パニック状態に陥らなかったため、水面まで帰れました。ただ、もう少しでもトラブルが重なっていればどうなっていたのやら。あのときにBCへの給気で浮上、という判断がなければ沈んだままだったでしょうし。あと、直線ナビゲーションも最低限使えなければならないと感じた場面でもあります。ガイド付きのファンダイブだと、コンパスはお飾りになってしまいがちですが、いざというときのために、ベセルが動くようメンテナンスしておかないと行けません。
参考までに、エアーの消費量も書いておきます。驚く事なかれ、すごく減りました。スタートは200bar、ボートに戻ってきたら130barでした。ダイコンのログから推定すると、通常の3倍に近い速度でエアーを消費したようです。
初心忘れるべからず、慣れた頃が危ない、身をもって分かりました。怪我無く戻ってこれたから、良い教訓となりましたが、一歩間違えればどうなっていたことやら。
Comments
冷静に見えるだけで、エアーの消費量を見たら、かなり危ないところに来ていたと思います。それに、汗だくだったし・・・初心を忘れないためにも、常に怖いぐらいのがちょうどイイかもしれません。
水中だと、重力感が元々無いので、体の傾きなどを重力による感覚で知るのは難しいのではないでしょうか。
晴眼者は陸上・水上とも視覚情報にかなり依存しているといえます。なので、目をつぶったら全く分からないのではないかと思います。>居酒屋ガレージさん
上下左右の感覚を喪失!って、こうやっておこるのですね。
下向きのGは同じようにかかっているはずなのに、視覚がそれをじゃまするのでしょうか?
そこで目をつぶると・・・どうなるのでしょう?
怖い体験されたんですね。
たしかゴールデンウィークにすさみでダイバーが流されて亡くなったと聞きましたが、正直どうやって死亡事故になったんだろう?って思ってました。
でも実際こうやって詳しく体験談を聞くと、どんなときでも、どんなに経験があっても事故は想定外に起きてしまうんだなぁって再確認しました。
しかし、BCに給気したり、安全停止してたり落ち着いた対応さすがですね。私だったら鬼キックで無意味なエア消費していたと思います。。(^-^;)
でもこの記事のお陰でそういった事態にも落ち着いて対応できると思います。
最近、私は潜らなさ過ぎで潜りたい反面、少し潜るの恐怖症気味ですが。。。
失敗談を書くのは恥ずかしい話だと思うけど、振り返ると得るものがあるので、書いてみました。失敗は成功の母なんですね。(ダイビングでは命取りになることもあるので、あってはならないことですが)
今後、安全で楽しいダイビングへのヒントになれば幸いです。>だいありさん
ほんと、記事に書いてくれてありがとうございました。
落ち着いた対応で、驚きました。
コンパスナビゲーション、アドバンス講習でやったけど、視界不良のところでやる自信ないな、、。
でも、基本、慌てない、落ち着く、からなんですよね。
三途の川を見てからではもう遅いですから。
昔、エントリしてから潜行するのに手間取っていた一人(経験本数600本)が、突然の波にさらわれて瞬間的な行方不明に。幸いすでに潜行していた小生が数m下から見上げる形でしたので見失わずに済みましたが、その際彼のオクトからフリーフローしてエアが思いっきり減ってしまったことがありました。
何にしても油断はあきませんな。海に人間が勝てるはずありませんもんね。